2011 Fiscal Year Annual Research Report
核酸摂取による関節リウマチの予防・改善効果に関する研究
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21700769
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
養父 佐知子 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (00398695)
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Keywords | 核タンパク質 / リウマチ / 食品 |
Research Abstract |
これまで我々は、リウマチ様関節炎を自然発症するHuman T cell Leukemia Virus Type I (HTLV-1)遺伝子導入(Tg)マウスに核酸・核タンパク(NP)1.2%含有餌を3ヶ月間摂取させたところ、関節肥大、組織の増悪等が抑制されることを明らかにした。近年、関節炎の悪化にフリーラジカルが関与することが報告されている。そこでNPの抗酸化作用について解析した。 HTLV-1 Tgマウスの関節切片を作成し、フリーラジカルの代謝産物で酸化障害のマーカーとして用いられている3-nitrotyrosin染色を行った。その結果NP摂取群では陽性反応が抑制された。これよりNP摂取による酸化ストレスの軽減が関節炎の抑制機構である可能性が示唆された。次にNPの抗酸化作用をin vitroにて評価した。NPとその主成分であるDNA-Na、プロタミンの3種の抗酸化能(BAP)テストを行ったところ、NPのBAP値は濃度依存的に増加し50μg/mlで有意差を認めた。また、DNA-Naは25μg/mlで有意に高値を示した。さらに、電子スピン共鳴法を用いてNPが消去するフリーラジカル種を同定した。測定はNOラジカル、スーパーオキサイドアニオン、一重項酸素を対照に行った。その結果NPはNOラジカルを6mg/mlで40%、一重項酸素を0.01mg/mlで95%以上消去したが、スーパーオキサイドアニオンはほとんど消去しなかった。以上の結果より、NPは一重項酸素およびNOラジカルを消去し抗酸化能を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度は核タンパクの抗酸化作用について解析することを計画した。当初の計画どおり、NO酸化代謝物(3-ニトロチロシン)を低下させることや、電子スピン共鳴法(ESR)を用いて核タンパクがNO消去能を示すことをin vitroの実験で明らかにしたことより、研究が順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで我々は、核タンパクの摂取がHTLV-1 Tgマウスのリウマチ様関節炎を抑制することや、NO酸化代謝物(3-ニトロチロシン)を低下させることを報告した。さらに、電子スピン共鳴法(ESR)を用いて核タンパクがNO消去能を示すことをin vitroの実験で明らかにした。しかし、生体内に摂取された後の核タンパクのNOに対する作用は不明である。そこで来年度はリポポリサッカライド(LPS)誘導性肝傷害モデルマウスを作製し、NOが原因となって生じる肝傷害に対する核タンパク摂取の作用を調べる。
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Research Products
(1 results)