2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管新生を標的とした高濃度レスベラトロールオリゴマー含有食品の癌予防効果
Project/Area Number |
21700773
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
國政 和宏 武庫川女子大学, 国際健康開発研究所, 研究員 (50534020)
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Keywords | 血管新生 / レスベラトロールオリゴマー / 血管内皮細胞 / 管腔形成 / 腫瘍 / 細胞遊走 / シグナル伝達 / 食品機能 |
Research Abstract |
近年、レスベラトールオリゴマーが様々な植物に存在することが報告されているが、その生理活性は不明な点が多く、それ故レスベラトールオリゴマーを含む植物資源は有効利用されていない。そこで本研究では、癌の悪性化に関わる腫瘍血管新生に対するレスベラトールオリゴマーおよびそれらを含有する植物抽出物の作用を解析することで、癌予防食品および癌予防成分としての有用性を検証することを目的とした。本年度は、東南アジア原産メリンジョ(Gnetum gnemon L.)種子エタノール抽出物、およびその主成分であるレスベラトロールダイマー(gnetin Cなど)の血管新生に対する作用を検証した。その結果として、1.メリンジョ種子抽出物が、VEGF及びbFGF誘導性の血管内皮細胞の細胞増殖、遊走、管腔形成を顕著に抑制することを見出した。2.Gnetin Cがレスベラトロールに比べて約11倍程度強い管腔形成抑制作用を発揮することを見出した。3.メリンジョ種子抽出物及びgnetin Cは、ERK1/2の活性化の抑制を介して、血管新生抑制作用の一端を発揮しているという知見が得られた。4.In vivo腫瘍血管新生モデルであるマウス背部皮下法において、メリンジョ種子抽出物摂取群では、腫瘍血管新生が有意に抑制されることを確認した。以上の成果から、メリンジョ種子抽出物は、腫瘍血管新生に対して経口摂取で抑制効果を発揮し、その作用の一端は血管新生に関わる複数の内皮細胞の抑制に起因することが示唆された。さらに、その種子抽出物の主成分gnetin Cが、in vitroで顕著な血管新生抑制作用を発揮することを見出した(論文投稿中)。
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