2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700778
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
大池 秀明 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所食品機能研究領域, 研究員 (30455307)
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Keywords | 体内時計 / サーカディアンリズム / 食品成分 / マウス / カフェイン |
Research Abstract |
本研究は、食事や食品摂取による体内時計の制御機構を明らかにすること、および、体内時計を制御するための食事や食品への応用を検討することを目的とした。 1. 食品成分がマウスの行動リズムに与える影響の解析 体内時計によって制御される最も顕著なリズムが睡眠覚醒リズムである。まず、赤外線センサーによる行動リズム測定系を構築し、カフェインによる行動リズムの変化を解析した。12時間の明暗条件下では、カフェイン飲用によるリズムヘの影響は観察されなかったが、恒暗条件に以降すると、カフェイン飲用群の行動周期長が有意に伸長した。 2. 食品成分がマウスの末梢体内時計に与える影響の解析 体内時計は中枢のみならず、各末梢臓器にも存在している。時計遺伝子の1つであるPer2にホタルの発光酵素であるルシフェラーゼを融合させた遺伝子を有する遺伝子組換えマウス(Per2-lucマウス)を利用し、末梢体内時計のリズムを解析する系を構築した。12時間の明暗条件下で、マウスにカフェイン溶液を1週間飲用させ、肝臓の体内時計を解析した結果、水を摂取させたコントロール群と比較して、1時間程度のリズム位相の後退が確認された。 本年度は、上記2つの異なる解析系を確立し、実際にカフェインの飲用によるリズム変化を捕らえることに成功した。これまで特定の食品成分が体内時計に影響を与えるという報告例はほとんどなく、特にカフェインのように恒常的に摂取する食品成分が体内時計に影響を与えているという結果から、われわれの体内時計は想像以上に食品の影響を受けている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)