2009 Fiscal Year Annual Research Report
いじめ構造理解のためのプレイヤー参加型シミュレーション
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21700805
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 義信 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (90303114)
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Keywords | エージェント / 相互作用 / 価値 / 同調 / 排除 / 包摂 / 卓越 / シリアスゲーム |
Research Abstract |
本年度の研究目的は「ヒトと同様の相互作用をするエージェントのプログラミング」である.この目的のため,これまでエージェントに採らせていた同調行動と排除行動の他に,包摂行動,卓越行動の2種類をプログラムした.包摂行動は同調行動と同様,エージェント間の共有価値数を増加させる行動であり,自分が価値を変更するのではなく,相手の価値を自分の価値に取り込む(包摂)する行動である.一方で卓越行動は排除行動と同様,エージェント間の共有価値数を減少させる行動であり,相手の共有価値を取り除くのではなく,自分の共有価値を別の新たな価値に置き換えることで相手との間に小さな差異を発生させる行動である.これら4種の行動は確率的に発動し,前回の相互作用時の影響(マルコフ性),過去に他者からどのような行動を受けたか(学習性),今回の相互作用における相手との共有価値数の割合(価値観の一致性)の3条件に依存する.学習性に関しては,現在,大学生を対象としてアンケート調査を実施中であるが,シミュレーションでは恣意的,経験的にプログラムした.エージェント数が多いとき,提案する4行動モデルは従来の2行動モデルと同様の現象を示すが,エージェント数が少ないときは異なる現象を示した,現在,その部分を解析中である.また,エージェントの1人をプレイヤーに置き換える参加型シミュレーションプログラミングの完成を終えた.次年度は複数のプレイヤーが参加できるネットワーク型シリアスゲームの構築を行う.
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