2009 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクト指向に基づく時間管理可能なGISの開発と地図データの整備に関する研究
Project/Area Number |
21700854
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
谷 謙二 Saitama University, 教育学部, 准教授 (40323381)
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Keywords | GIS / 時空間 / オブジェクト指向 |
Research Abstract |
平成21年度では,まず従来のオブジェクト指向GISに関する文献を整理しつつ,開発するGISの設計を行った。設計においては,開発するGISにおいて地物の位置表現や時間属性をどのように取り扱うか,またユーザーインターフェイスなどについて検討した。また,GISと関連の深い,マークアップ言語のXMLとオブジェクト指向モデルを図式表現するUML,また描画技術としてのDirectXについても検討した。新規開発の準備はかなりできたので、22年度において実際の開発をスタートさせる。 同時に、戦前の1/5万地形図を使用して、東海・近畿地方の1920~1950年にかけての行政界の変化を記録したMANDARA用地図ファイル「大正昭和東海近畿.mpf」を作成、インターネットで公開した。この地図ファイルは、オブジェクト指向の「集成」概念を使用して、行政領域の階層的な関係を表現している。すなわち、最小構成単位の市区町村オブジェクトは、ラインを参照して自身の形状を構成しているが、集成オブジェクトでは、オブジェクトを参照して自身を構成している。たとえば、「大阪市」オブジェクトは自身の区を参照することで面領域を形作っている。また集成オブジェクトの方法を用いることで、市町村の合併などによる行政領域の変化への対応が容易になった。さらに、この地図ファイルが利用されることで、近代都市研究などの発展が期待できる。 この地図ファイルは、「地理情報分析支援システムMANDARA」を用いて作成しているが、新しいGISにおいても上位互換性を持たせ、利用できるようにする予定である。
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Research Products
(3 results)