2009 Fiscal Year Annual Research Report
亜寒帯陸域の植生動態・エネルギー・物質循環の将来予測に関する数値モデル研究
Project/Area Number |
21710027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 求 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 特任助教 (40374649)
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Keywords | 大気-生物圏相互作用 / 炭素循環 / 水循環 / 植生動態 |
Research Abstract |
将来の気候変化に対し、亜寒帯陸域生態系のフィードバック(気候変化応答)を定量的に評価するために、領域スケールの植生動態、エネルギー・物質循環数値モデルの開発を行ってきた。また同時に、この領域スケールモデルを用いた研究に必要となる気象、土地利用などのデータベース作成を行ってきた。今後はこの開発された領域モデルを用いて、当初より目標としている湿地生態系モデルスキームの結合を行い、亜寒帯陸域の代表的な陸域生態系として北海道の陸域生態系を対象とした植生動態・物質循環研究を行う。本研究計画に沿った成果として、開発をしてきた森林生態系モデルを用いた解析(森林内の個体間競争の非対称性が林内の蒸発散量に及ぼす影響の数値解析)の論文発表(査読有、公表済)、データベースを用いた論文発表(台風後の葉群の生理生態応答の変化が森林の炭素吸収量に及ぼす影響に関する論文)(査読有、投稿中)、北方(亜寒帯)森林群落における大気-森林動態相互作用に関する研究の総括論文の発表(査読有、印刷中)、また、解説書として大気-植生相互作用モデルによる陸域炭素収支研究の論文発表(査読無、印刷中)、他2件(査読有、投稿中)を作成・発表した。さらに、2009年10月にハーバード大学の進化生物学研究室へ出向き、陸域モデル開発に関する共同研究打ち合わせを進め、同時にセミナー発表などを精力的に行ってきた。今後は各々で開発を進めている陸域生態系モデルを用いて、モデル比較間研究を推進していく計画である。
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