2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ・デンマークの市場活用型国際環境援助戦略の効果
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21710041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 晶寿 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30293814)
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Keywords | 国際環境援助 / 環境政策普及 / デンマーク / ドイツ / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は,ドイツ及びデンマークが,自国で導入した「革新的」政策と自国で開発した「革新的」環境保全型技術を,環境援助を通じていかに一体的に途上国に普及させ,途上国の持続可能な発展にどのようなインパクトをもたらしたのかを,日本との対比において明らかにすることを目的とするものである.平成23年度は,ドイツ国際協力公社(GIZ)及びデンマーク外務省,コペンハーゲン大学にて研究成果の報告を行ってフィードバックを受けるとともに,2009年の気候変動枠組み条約に関するコペンハーゲン合意以降の両国の環境援助の進展に関する新たな知見を得た.要約すると, (1)援助を通じた「革新的」政策と「革新的」環境保全型技術のパッケージの国際的な普及は限定的な効果しか挙げておらず,グリーン経済・低炭素発展という新たな枠組み・目標の下で再編される必要があるとの認識に変化してきた. (2)グリーン経済・低炭素発展も,アフリカなどの後発途上国では経済的な便益を生まない環境保全と理解されているため,国家発展戦略として推進されているわけではない.そこで環境援助の内容を,開発目標と統合できるようなものに変更してきているが,まだその効果は発現していない. (3)同時に,気候変動に脆弱な分野・地域を同定し,気候変動への適応力を高める支援を増やしているが,効果の測定は容易ではなく,暗中模索状態である. 本研究では,2011年3月に世界銀行,ドイツ・デンマーク,日本の環境援助の論理と戦略を比較した論文を,2013年3月にフランス政府の支援を受けたNGOによる環境援助の効果と課題を伝統的な環境援助と比較した論文を公表してきたが,必ずしも上記の知見を十分に活用できているわけではない.今後執筆する論文で,研究成果として公表してゆきたい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)