2010 Fiscal Year Annual Research Report
カザフスタン国セミパラチンスク地域住民のESR線量測定研究
Project/Area Number |
21710060
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
ズマジロフ カシム 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (40530770)
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Keywords | ESR / 歯エナメル / 住民の線量 / セミパラチンスク / 核実験場 |
Research Abstract |
(1)これまでの研究を継続する。前年度までにカノネルカ村、ブデネ村、ドロン村、チェリョームシカ村、モスティク村で10-20個の歯の試料を収集した。これらの村は1949年8月の旧ソ連最初の核実験の際放射能の雲が通過した村々で最も被ばくが大きかった所である。その被ばく線量が高かった理由は通過した放射能の雲から近かったことによる。 (2)更にクルチャトフ市近郊で歯を20サンプル集め、クルチャトフ市内で10サンプルを集めた。すでにサンプルの処理を終わり、測定を行っている。このクルチャトフ市はセミパラチンスク核実験場の北に隣接した市で、核爆弾の研究や核爆発の準備、実施を行った。 (3)ウスカメノゴルスク市では30サンプル歯を集めた。全ての歯は資料処理を終わりスペクトル測定も終了した。このウスカメノゴルスク市は、核爆発の跡の放射能の雲が通過した町であり、またウランの処理工場もある町である。これらの結果は国際会議で発表した。 (4)カザフスタン共和国の東の端にある東カザフスタン州における中国からの核実験の影響を見積もるため、この州の東の中国国境地帯の村々から歯を集め測定した。その集めた歯のEPR線量評価についての結果を"Influence of Lop Nor Nuclear Weapons Test Base to population of Republic of Kazakhstan"のタイトルで雑誌Radiation Measurementに投稿した。 (5)被ばく線量推定が必要な、ウラン鉱山、ウラン処理施設の近くにあるStepnogorsk市の住民から20サンプル収集した。本研究では、労働条件の影響を調べたり、また被ばくの実態を調べるため、ウラン工場や鉱山の労働者の吸収線量を推定も行っている。本研究でも関連した被ばくとして意義があるので研究を進めている。
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Research Products
(17 results)