2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波と紫外光照射による反応活性霧の発生と空気浄化手法への応用
Project/Area Number |
21710073
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50312921)
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Keywords | 超音波 / 紫外線(UV) / VOCガス / 超音波霧化 / 光触媒 / 粒径分布 / 反応活性種 / オゾン |
Research Abstract |
実施した研究概要 本研究は、超音波ならびに短波長紫外(UV)光を用いて、省エネルギーかつ有効な反応場である反応活性霧の効果的な発生手法を確立することを主な目的としている。昨年度は、UV波長、過酸化水素添加、UV/O_3照射、霧粒径などの観点から反応活性霧の有効性を確認してきたが、本年度はより反応性の高い霧の発生をめざし、二酸化チタン(TiO_2)光触媒を含有した霧の発生とその揮発性有機化合物(VOC)ガス除去への応用可能性について検討した。 得られた成果 VOCのモデル物質であるトルエンガスと性質の異なる数種の有機汚染ガスに対して、紫外線(UV)照射下で光触媒含有霧(UMP)を用いた分解実験を行った。その結果、難水溶性のトルエンガスであっても、水の表面に存在する光触媒と効果的に反応し、UV光とUMPを用いることで高い除去率が得られることが確認された。また同時に、水溶性の中間生成物がミスト中に取り込まれ、後段への分解生成物抑制にも効果的に働くことが示唆された。一方、性質の異なる数種の有機汚染ガスに対し本手法を適用した結果、疎水性ガスはミスト表面にてOHラジカルとの反応速度に従って除去され、また、水溶性の高い有機汚染ガスは、分解反応よりも速くミスト中に取り込まれミスト中で効果的に除去されていることが確認された。これらの反応においては、UV波長が短くなるにつれてUMPによる有機汚染ガスの除去率と無機化率が増加する傾向が得られたが、これは、短波長UV光照射下で発生するO_3やOラジカルが、分解生成物の無機化に効果的に働いたためと推察された。
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