2009 Fiscal Year Annual Research Report
液晶を用いた金属ナノ微粒子の自己組織化と規則構造の光マニピュレーション
Project/Area Number |
21710094
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
堤 治 Ritsumeikan University, 生命科学部, 准教授 (00313370)
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Keywords | アゾベンゼン / 液晶 / ナノ微粒子 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では光応答性液晶を表面に結合させた無機ナノ微粒子を合成し,1)液晶分子の配向により無機ナノ微粒子集合体の規則構造が発現するメカニズムを解明し,2)液晶の光応答を利用して微粒子集合体の規則構造を光で操作することを目的とする。 2009年度に行った研究の結果,光応答性液晶分子を金ナノ微粒子に結合すると,ナノ微粒子が規則的に凝集し,種々のナノ規則構造を発現することが分かった。この構造は試料調整に使用する溶媒の種類により1次元構造から2次元構造へと大きく変化することが分かった。溶媒を適切に選択することで,直鎖状1次元構造,環状1次元構造あるいは2次元構造を形成させることができた。これまでも,溶媒により自己組織体の規則構造を変えることが可能であることは報告されてはいるが,このような大きな構造変化が起こる材料は本研究で初めて見いだされた。また,光化学反応により液晶分子の構造を変化させ,液晶性を消失させるとこの自己組織体の規則構造がランダムな凝集構造に変化した。さらに,金ナノ微粒子の自己組織化が表面に結合された有機分子の液晶性によって誘起されたことをより明確にするために,非液晶性有機分子を結合したナノ微粒子を合成し凝集構造を観察した。その結果,非液晶分子が結合したナノ微粒子はランダムな凝集構造を示した。以上の結果より,ナノ微粒子表面の有機分子の液晶性に基づいてナノ微粒子の自己組織化が起こり,種々のナノ規則構造を形成することを明らかにした。
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