2009 Fiscal Year Annual Research Report
追突警報システムの利便性向上による追突防止効果促進に必要な警報タイミングの考察
Project/Area Number |
21710175
|
Research Institution | Japan Automobile Research Institute |
Principal Investigator |
安部 原也 Japan Automobile Research Institute, 安全研究部, 研究員 (30426259)
|
Keywords | 追突警報システム / 警報タイミング / 先行車追従行動 / 個人適合 |
Research Abstract |
本研究の主要な目的は,追突警報の利便性を向上させるための技術を開発するために,ドライバの運転行動の特徴を警報タイミングの設定方策に適応する方法を構築した上で,警報に対するドライバ反応を検証することである.平成21年度については,先行車追従中の視覚的なディストラクション(脇見)の有無および脇見中の先行車との追突に対する緊急性の違いによって,追突警報の有用性,主観的な煩わしさ等にどのような影響が生じるかを運転シミュレータによる実験により検証した.具体的には,まず始めに,12名のドライバについて,普段(警報呈示なし)の先行車追従時における車間時間(THW)を計測した.次に,個々のドライバについて,THWの分布に対する20%タイル値を先行車追従時の運転行動の特徴量として抽出した.さらに,追突警報のタイミング設定するにあたり,これらの値のドライバ全体での平均を,警報アルゴリズムの1つであるStopping Distance Algorithmの警報反応時間に関するパラメータの値として適用した.最後に,今回設定した警報(聴覚)に対する追突リスクの低減効果,煩わしさ等への影響を検証した.その結果,同じタイミングの警報であっても,脇見の有無や脇見中の先行車の走行状態によって,追突リスクの低減効果および主観的な煩わしの評価に違いが生じることを明らかにした.具体的には,今回設定したタイミングの警報であれば,脇見中に先行車が急減速するような場面であっても,追突リスクを低減できる可能性を示した.ただし,脇見のない条件で走行している場合には,脇見をしている状態と同じタイミングで呈示される警報を煩わしいと感じる可能性があることを確かめた.これらの結果は,警報による追突リスクの低減効果を確保すると同時に,警報に対する煩わしさを低減させる上で,ドライバの状態に配慮した警報タイミングの設定方策の必要性を示唆している.
|
Research Products
(2 results)