2011 Fiscal Year Annual Research Report
追突警報システムの利便性向上による追突防止効果促進に必要な警報タイミングの考察
Project/Area Number |
21710175
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Research Institution | 一般財団法人日本自動車研究所 |
Principal Investigator |
安部 原也 一般財団法人日本自動車研究所, 安全研究部, 研究員 (30426259)
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Keywords | 追突警報システム / 警報タイミング / Driver Distraction / 追突リスク / 減速行動 |
Research Abstract |
本研究では,先行車追従時の車間時間(THW)が長く(4秒程度),追突までの時間的な緊急性が比較的低い走行場面に着目し,追突の緊急性をパラメトリックにかえた場合,すなわち,追従中のTHW,先行車減速度の条件の違いによって,ハンズフリー携帯電話での会話によるドライバの減速行動,追突リスクへの影響がどのように異なるかを運転シミュレータによる実験により検討した.さらに,これまで検討してきたStopping Distance Algorithm(SDA)にもとづく追突警報を呈示した場合の追突リスクへの影響を調査した.その結果,以下の点を明らかにした. ・運転中の携帯電話による会話に起因した注意の低下度合いが大きくなるに従って,先行車が減速する場面におけるブレーキ反応時間の遅れが大きくなる傾向にある.先行車追従時のTHWが比較的長い(4秒)場合にこの傾向が顕著であり,また,ブレーキ反応時間の遅れの個人差が顕在化する可能性があることを明らかにした. ・今回の実験で呈示したSDAにもとづく警報について,先行車追従時のTHWが比較的短い(2秒)場合には,警報が呈示されることによって,警報が呈示されない条件で生じやすい追突回避のためのブレーキ反応時間が長くなる頻度を,抑制できる可能性があることを確かめた.また,警報呈示によりドライバの個人差に起因した追突リスクのばらつきを抑制できることを確かめた. ・比較的長いTHWで先行車に追従している場合には,警報による減速行動への影響および追突リスクの低減効果は小さく,その結果として警報の有用性も低い評価となる.この結果から,ドライバの安全性を向上させるためには,比較的長いTHWで先行車に追従している条件に加え,ドライバが携帯電話等で会話をしている状況であるならば,比較的短いTHWで追従走行している時とは異なる警報呈示のロジックやパラメータの値を設定することによって,警報タイミングを早める必要性が示唆される.
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Research Products
(3 results)