2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21710177
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸山 喜久 Chiba University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70397024)
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Keywords | 人工改変地形 / デジタル航空画像 / 空中写真測量 / DSM / DEM / 地震動強さ / 地震被害 |
Research Abstract |
2007年7月に発生した新潟県中越沖地震で被害を受けた柏崎市を対象に,空撮画像を用いた空中写真測量を行い,地震前後の数値表層モデル(DSM)を作成した.とくに地震後のDSMを作成する際には,地震直後に電子基準点が一時的に運用を停止していることから,精確なDSMを作成するにはGround Control Point(GCP)を予め取得しておく必要があるなど,研究実施前には想定していなかった課題があることが分かった.しかしながら,GCPを適切に設定することで電子基準点を写真測量に利用できない問題は解決し,精度のよいDSMが作成されることが確認され,本研究の遂行には問題がないことが分かった.なお,作成したDSMの精度は,地震前後のDSMの差分を用いて倒壊建物の抽出が行えるかどうかで評価した.その結果,高さの差分の閾値を2.5mとすると,ほぼ全ての倒壊建物を捉えることができた.一般の建物の階高が約3m程度であることをふまえると,本研究で構築したDSMは精度よくできているものと考えられる. 地震計が高密度に配備されている千葉市でも常時微動観測,地震記録の分析を行い,人工改変地形と地震動強さ,地盤の卓越周期に関する評価を行った.常時微動観測を高密度に行ったところ,観測点は互いに100m程度しか離れていないにもかかわらず,3m程度盛土されている地点と4m程度切土された地点では常時微動のH/Vスペクトル比の形状に違いがあり,卓越周期に差異が見られることが分かった.このことから,狭い地域での震動特性の違いを考えるには,地形・地盤条件に加えて,盛土,切土などの人工改変状況も一つの影響因子となり得るものと思われ,継続して検討する.
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Research Products
(3 results)