2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA内メチルシトシン塩基の光酸化反応機構の解明と新規DNAメチル化検出系の探索
Project/Area Number |
21710228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 久嗣 京都大学, 先端医工学研究ユニット, 特定助教 (80512764)
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Keywords | 機能性核酸 / 光増感反応 / DNA内電荷移動 / DNAメチル化 / 5-メチルシトシン / 修飾シトシン塩基 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子発現の制御因子であるDNA中のメチル化シトシン(mC)の光酸化反応機構を明らかにするとともに、mCの光酸化とDNA内ホール移動反応の相関を検証し、DNA中のメチル化を高効率かつ高選択的に検出する新しい光機能分子システムの設計を目標とした。前年度は、高効率なmC検出系の構築に向けて光増感剤を最適化した。アントラキノン(AQ)をDNA鎖内に導入したところ、mCで効率よく光酸化反応が進行し、従来法に比べ約3倍の検出感度の向上に成功した。本年度の研究成果は以下の通りである。1.DNA内でのmC光酸化反応に及ぼすC5位の重水素同位体効果に関する知見を得た。C5位メチル基を重水素置換したmC(d3-mC)ボスホロアミダイト誘導体を新規に合成してDNA鎖内に導入した。AQを含む光機能性DNAを用いてmCおよびd3-mCでの光酸化反応を生成物分析により評価し、mCラジカルカチオンからメチルラジカル中間体へのC5位脱プロトン化反応過程がDNA内mCでの選択的鎖切断の鍵反応であることを明らかにした。2.DNA内ホール移動現象を応用して、複数のmC部位を高選択的に同時検出可能な革新的分子システムの基礎知見を得た。AQを末端に導入したDNA二重鎖の光反応を追跡した結果、AQにより光注入されたホールがDNA内を移動し、複数の標的mCで選択的に光酸化切断されることを見出した。さらに、グアニン(G)塩基と相補的な5-フルオロシトシンを導入したDNAを用いると、酸化され易いG塩基が共存する系においてもmCを明瞭に検出できることを実証した。本期間では、モデルDNA配列中のmCを同時検出可能なシステム基盤を確立することに成功した。今後、^mCを含むDNA内のホール移動反応に及ぼす配列依存性を詳細に検討し、実在の遺伝子配列に適用可能なDNAメチル化検出用分子システムへと展開する。
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Research Products
(7 results)