2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720036
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾崎 有紀子 早稲田大学, 日欧研究機構, 研究員 (80506155)
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Keywords | 日伊文化交流 / 表象 / イタリア / ガブリエーレ・ダヌンツィオ / クオーレ |
Research Abstract |
研究初年度である平成21年に機会を得て調査した、日伊間の文化受容をめぐる問題に関連してきわめて重要と考えられるガブリエーレ・ダンヌンツィオの早稲田大学戸山図書館所蔵未公開手稿について、同年12月の明治美術学会における口頭発表ののち22年3月に報告論文(「『蜻蛉集』とダンヌンツィオ-「西洋うたOuta occidentale」新資料をめぐって」、『比較文学年誌』第46号)を発表したが、同年4月以降にこの報告をイタリアにて発表する機会を得、22年度は主にこの件について改めて調査内容の精査をおこなった。これにより当初の研究計画の変更・延長の必要に迫られ、同年度交付金の一部を翌23年度に繰り越した。結果、23年2月にはダンテ・アリギエーリ協会にて精査後に得た新知見について講演し(「詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオと和歌-詩人ダヌンツィオの未公表の自筆原稿を通して和歌との深い関係を探る」、ダンテ・アリギエーリ協会東京支部、2月26日。同年3月1日付『読売新聞』紙上で報道)、最終的に23年12月、Rassegna dannunziana誌に論文が掲載された。当初の研究計画の要である、イタリアをめぐる同時代イメージ研究については、23年度をかけて明治~昭和戦前期までのイメージ資料の収集を継続し、その成果を23年11月にイタリア文化会館での口頭発表で公表した(24年刊行予定の論集への収録にあたって論文執筆中)。この作業に密接に関連する問題として、明治以来日本で広く受容されたイタリア児童文学「クオーレ」と戦前日本における国定国語教科書との関係についても調査し論文にまとめ、また以上の研究活動を総合した近代日本のイタリア受容にかんする本研究課題の最終的成果として24年1月、博士学位請求論文「近代日本におけるリソルジメント表象の伝播と受容」を早稲田大学へ提出した。
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Research Products
(4 results)