2009 Fiscal Year Annual Research Report
近世の敵討ち実録の享受・伝来と、当時の敵討ち観に関する研究
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21720076
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| Research Institution | Gakushuin University |
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Principal Investigator |
菊池 庸介 Gakushuin University, 文学部, 非常勤講師 (30515838)
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| Keywords | 実録 / 敵討ち / 近世文学 / 武者修行 / 鎌倉街道女敵討 / データベース |
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| Research Abstract |
今年度は研究計画に基づき、調査資料の収集と整理を中心に行った。調査先は、鳥取県立博物館中島家文書、関西大学図書館中村幸彦文庫、弘前市立図書館岩見文庫、天理大学図書館、大阪大谷大学図書館であり、ほかに個人の所蔵しているものについても調査する機会を得た。調査点数は100点であり、可能な物についてはデジタル撮影し(全体で約7000コマ)、サンプルの充実をはかった。
調査撮影した敵討ち実録は、大半がこれまでに知られていないものである。今後敵討ち実録の特徴を明らかにしたり、他ジャンル文芸における素材の探求をしたりするためにも、非常に貴重なサンプルを収集することができた。
調査した敵討ち実録については、冊子形態の解題集の刊行を企図しており、梗概をまとめている。このほか、データベース化を見据え、書誌的事項だけでなく、「敵討ちのもととなった事件の起きた年月」や「敵討ちの行われた年月」、「登場人物とその役割」、「物語中にみられる趣向」等をデータとしてパソコン入力している。また、『鎌倉街道女敵討』(弘前市立図書館蔵)の原文解読を行って、さらにこの一群の実録について諸本調査も実施した。
ほかに、敵討ち実録における武者修行の趣向について分析を試み、事件の舞台となる時代が十七世紀半ば以降になると、武者修行の趣向があまりみられなくなってくることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
