2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビュフォン『一般的個別的博物誌』に見られる自然概念と自然記述の形成について
Project/Area Number |
21720114
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
大橋 完太郎 Tamagawa University, 教育学部, 非常勤講師 (40459285)
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Keywords | 自然史・博物学 / 生物哲学 / プレ進化論 / 観念の歴史 / フランス啓蒙期の思想 |
Research Abstract |
本研究は、18世紀フランスの博物学者ビュフォンの主著『一般的個別的博物誌』を主たる対象にして・ビュフォンの博物学の今日的意義を自然観とその記述という観点から分析することを試みるものである。本年度の成果は具体的には以下のようになる。 1.文献研究,ビュフォンの著作『一般的個別的博物誌』の読解を先述した計画に従って進めた。とりわけ『博物誌』第二巻・第三巻を占める「人間の自然史」・「人間誌」を参照し、1749年当時のビュフォンの思想における人間の位置取りを確認することができた。夏期にフランスにおいて現地調査を行い、これに関連する多くの文献を参照し、入手することができた。 2.他の協力者との連携:申請者は観洋一氏(中部大学)を代表とする科学研究費補助金基盤研究(B)「フランス『百科全書』研究、に研究協力者として参加していた。この研究によって集積された『百科全書』メタデータを活用することでビュフォンが『百科全書』に与えた影響の詳細を確認することができる。これらのデータを用いてビュフォンの記述にディドロが注釈を加えて編纂した項目「動物」に関する更に精緻なレベルでの読解が可能となる。この点に関しては18世紀学の国際的専門誌Recherche sur Didet et l'Encyclopedieに鷲見氏との共著論文を刊行し『百科全書』におけるデータ解析の基本作業を行うことができた。 3海外での研究協力要請および文献収集:フランスでの在外調査において文献および史跡に関する調査を行い、また、ベルギーのブリュッセル自由大学哲学科、Benoit Timmermansとコンタクトを取り、研究上有効なアドバイスを得るのみならず次年度につながる研究協力体制を構築できた。
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Research Products
(3 results)