2010 Fiscal Year Annual Research Report
大規模コーパスを用いた日本語と英語イディオム・データベースの開発
Project/Area Number |
21720190
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
DANNY Minn 北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (60382412)
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Keywords | コーパス / 慣用句 / イディオム / 教育工学 / 教材 |
Research Abstract |
本研究では、日本語の慣用句(idioms)について、日本語学習者に対する効率的な学習を促す教材データの構築と、ウェブを通じた教材提供サイトの開発を行う。日本語学習に限らず、語学学習の中でも、一般に慣用句の習得は、学習者にとって大きな負担である。本研究は、学習項目の定量化と学習方法の改善に関する。その特徴は、1、分野ごとのコーパスを用いて慣用句の頻度情報を求め、学習項目数を限定すること、2、慣用句学習において、単純記憶だけに頼るのではなく、認知言語学的アプローチを用い、概念近接性に基づく類推方法を示し、慣用句が持つ意味を理解させることで学習効果を高めることである。 英語対訳データを基にした慣用句のクロスリファレンスは、イディオムの使用における日英比較対照の基礎的な資料になるだろう。頻度順の日本語/英語慣用句データベースの作成を目指している。この成果は、日本語学習者の学習効率の向上に寄与するだけでなく、クロスリファレンス情報を活用することで、日本人の英語学習にも十分資するものである。 慣用句リストの精緻化と頻度調査のためのコーパスデータの収集を行う。頻度調査を実施すると共に、一部の慣用句に対訳データを付与し、試験的規模の慣用句データベースを構築する。1、コーパスデータの収集:『毎日新聞データ2008』『読売新聞データ2008』『朝日新聞データ2008』のコーパスデータを収集した。2、慣用句類型の拡張、3、慣用句が現れる言語環境(文脈情報)の調査、4、慣用句データベースの構築、5、教材参考資料の作成(上記の2~5は翌年度に継続)。本研究の成果は平成23年度に発表する予定である。
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