2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720218
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
豊田 哲也 Akita International University, 国際教養学部, 助教 (40436506)
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Keywords | 国際法思想史 / 文明間の交流 / 欧州中心主義批判 |
Research Abstract |
18世紀および19世紀のヨーロッパでの国際法理論の形成における東アジアの貢献を明らかにしようとする本研究において、初年度は文献の収集作業が中心となり、ドイツのヘルツォーク・アウグスト図書館やフランス外交史料館に実際に赴くなどして、史料収集を行った。また、フランス国立図書館の電子複写サービスをはじめとして、各国の図書館の電子複写サービスを利用しての史料収集も精力的に行つてきたところである。 しかしながら、初年度には米国や韓国や中国の外交史料を渉猟する時間をとることができなかった。19世紀のアジアに派遣された欧米の外交官らが国際法の諸規則をアジア諸国の政府関係者が理解・納得できるような形で説明していた具体像に迫るための史料収集の作業を行っていかなければならない。第二年度中に予定されている外交史料の収集・解読の作業を通じて、ヨーロッパ国際法がキリスト教などのヨーロッパ文明に固有の要素を排除して普遍化されていったという仮説を検証するしていくことが可能になるであろう。 なお、関連文献の収集と並行して、最終成果物としての単著の構想を練る作業も進めてきた。その一環として、2009年10月に中国の武漢大学と昆明理工大学に赴き、朱子学の普遍主義的性格が近代国際法の形成と普及に与えた影響に関する講演を行い、それぞれの大学院生や教員と議論を行った。同講演のテキストは武漢大学の『国際法評論』に掲載される予定である。
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