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2009 Fiscal Year Annual Research Report

スティグマをめぐる基本権理論の構築

Research Project

Project/Area Number 21730020
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

斎藤 一久  Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (50360201)

Keywords憲法 / 基本権 / スティグマ / 人権
Research Abstract

本研究は(1)ドイツ連邦憲法裁判における判例分析と憲法学説の研究、(2)アメリカ憲法学説との比較研究、(3)日本における展開可能性の検討を中心として行うことを全体としている。
今年度は、とりわけ(1)を中心に、スティグマをめぐるドイツ連邦憲法裁判における判例分析と憲法学説の研究について研究を実施した。とくに連邦憲法裁判所のグリコール決定、オショー決定、ユンゲ・フライハイト決定を検討した。
研究成果については、その一部を憲法理論研究会編『憲法学の最先端』(敬文堂、2010年)に論文「基本権の間接的侵害理論の展開」として掲載した。オショー決定において「破壊的」、「エセ宗教的」という表現がとくに問題視され、またユンゲ・フライハイト決定において憲法擁護庁報告のスティグマ効果という異議申立人の主張が採用されたことからすると、連邦憲法裁判所は、国家の情報提供行為についてスティグマをめぐって事実上の侵害効果を考慮し、基本権保護の射程を拡大していると考えられる。
しかしながら、現時点では、拡大傾向にあるという指摘に留まらざるを得ない。その理由は、たとえば3決定が問題となった基本権の性質により異なった判断が出されたに過ぎない、すなわち営業の自由が問題になったグリコール決定については介入が否定されたが、信教の自由、プレスの自由という「敏感な」基本権においては国家作用が個人の自由意志に与える物理的・心理的拘束力を、個々に分析し、国家の情報提供行為による私人の行為制御可能性が存在するというだけで、基本権侵害であるという結論を導き出したとも考えられなくはないからである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Book (1 results)

  • [Book] 憲法理論研究叢書(17) 憲法学の最先端2010

    • Author(s)
      憲法理論研究会
    • Total Pages
      55-67
    • Publisher
      敬文堂

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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