2009 Fiscal Year Annual Research Report
離婚事件およびその他の家事事件の国際裁判管轄権に関する立法提言に向けた研究
Project/Area Number |
21730049
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
北坂 尚洋 Fukuoka University, 法学部, 准教授 (60346129)
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Keywords | 国際法学 / 国際民事手続法 / 国際裁判管轄 |
Research Abstract |
離婚事件の国際裁判管轄権について、まずはEU法、続いて、英米法の研究を行った。英米法の研究としては、アメリカ法やイギリス法に加えて、オーストラリア法やマレーシア法についても研究を進めた。また、夏休みや春休みを利用して、国外での情報や資料の収集を集中的に行ったほか、国内の図書館へ出張したり、研究会(例えば、渉外家事判例研究会)へ頻繁に出席したり、図書館文献相互貸借制度や図書館相互複写制度を利用した資料収集を行ったりする等、積極的に本研究の遂行につとめた。 雑誌論文や図書にまとめた成果としては下記のものだけであるがそれ以外に、判例評釈としてまとめた成果として戸籍時報649号(2009年12月)10-20頁(「婚姻共同生活を営んだことがない夫婦の離婚件の国際裁判管轄権(福岡高裁成21年4月10日判決)」)もあり、離婚事件の国際裁判管轄権に関する立法提言に向けた研究を前進させている。 なお、当の研究計画では、平成21年度中にローマIII規則についての研究をまとめ、EU法における離婚事件の国際裁判管轄権の全体について考察する予定であった。しかし、EUでのローマIII規則の採択が予想外に大幅に遅れ、2010年3月になってその採択に向けた動きが再開した状況にあり、その動向を見極める必要があったことから、ローマIII規則についての研究成果の公表には至らなかった。今後、ローマIII規則の採択に向けた動きは一層活発になると思われ、できるだけ早い時期にその研究成果をまとめたいと考えている。
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Research Products
(1 results)