2010 Fiscal Year Annual Research Report
離婚事件およびその他の家事事件の国際裁判管轄権に関する立法提言に向けた研究
Project/Area Number |
21730049
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
北坂 尚洋 福岡大学, 法学部, 准教授 (60346129)
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Keywords | 国際法学 / 国際民事手続法 / 国際裁判管轄 |
Research Abstract |
本研究は、諸外国の法制度の研究を行うことによって、離婚及びその他の家事事件の国際裁判管轄権に関する研究を深め、そして、わが国の立法としての提言を行うことを最終目標とするものであり、平成22年度は2年目で最終年度となる。 平成22年度においては、まず、家事事件の国際裁判管轄権に関するアメリカ法の研究のまとめを行った。その研究の対象は、婚姻、離婚、親子関係、扶養といった家事事件全般にわたるものであり、アメリカ法に関する概説書を翻訳した『アメリカ抵触法 下巻 法選択・外国判決編』<共訳>(レクシスネクシス・ジャパン株式会社・2011年1月)の「第6章 家族法」367-415頁は、その研究成果の一部である。また、親子関係事件の国際裁判管轄権に関する研究も進めた。その成果の一部が、監護権者等の変更に関する国際裁判管轄権に関する判例評釈である「監護権者等の変更申立事件の国際裁判管轄」民商法雑誌142巻2号(2010年5月)253-258頁である。これは、子の奪取に関する論点も含むものである。さらに、家族法と財産法の両方に跨る分野の研究も進め、婚約破棄に基づく損害賠償請求事件に関する判例評釈として、「結婚相手紹介会社を通じて知り合った日本人男と中国人女の間の婚約の成立及び婚約不履行等に基づく損害賠償請求の準拠法」戸籍時報666号(2011年3月)18-27頁を公表した。 平成21年度の成果と平成22年度の成果は、家事事件全般にわたるものであり、かつ、財産関係事件との関係も踏まえて検討を加えたものであって、本研究の最終目標である離婚及びその他の家事事件の国際裁判管轄権の立法提言に向けた基盤になるものと考えている。
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Research Products
(3 results)