2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学教授職労働市場における、賃金、昇任及び労働流動性の男女差の研究
Project/Area Number |
21730207
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
高橋 新吾 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授 (70445899)
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Keywords | 大学教授職 / 男女格差 / 個票サーベイ / 大学教員データ |
Research Abstract |
本研究は、日本の大学教授職労働市場における賃金と昇任の男女差、賃金昇任における男女差の原因となる可能性のある、教授職市場における労働流動性(Labor Mobility)の男女差についての実証研究を目的とする。経済学部におけるデータを用いた研究を昨年度は行ったが、データのサイズが小さい事などにより、その結果がどれ程日本全体の教授職を反映しているのかという点に於いて批判があった事も否めない。よって本年度は、データを経済学部以外の学部に拡大する為にサーベイを行った。アンケートの内容は、研究協力者の高橋アナマリア及び、ユタ大学のMaloney教授との協力にて完成させた。アンケートのユニークな点は、各研究者に過去の研究業績の中で最も重要な三つの論文に関して、それがどの学術誌に於いて出版されたかを聞いた事にある。この情報を基に、研究の質を推定にてコントロールする事が出来る。サーベイは以下のようにして行った。その為には、研究のアウトプットが主に学術誌に掲載される分野を選ばなければならない。その理由でサーベイの対象を理工学部に絞った。サーベイは以下のように行われた。まずリサーチアシスタントを用い日本のすべての理工系学部のホームページから教員の名前を抽出しリストを作った。このリストには約2万人の名前が載っている。まずパイロットスタディーとして20名にサーベイを送り、返答率などを見た。パイロットスタディーが成功したので、次にリストから中からランダムに5000人の研究者を抽出し郵便にてアンケートを郵送した。送った時期は9月の末である。 最初に送ってから2週間後に、催促状を全ての研究者に贈った。サーベイは11月中旬に全てが回収され、返答されたサーベイは1637通になり、返答率は34.4%と予想の25%を大幅に上回る成功を収めた。オブザベーション数1637は現存する日本における大学教員の個票データとしては最大のものである。データの入力はリサーチアシスタントを2名やとって行い3月の末でデータのインプットが完了している。
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Research Products
(1 results)