2011 Fiscal Year Annual Research Report
健康の内生性を考慮した高齢者の受診行動・退職行動のセミパラメトリック分析
Project/Area Number |
21730215
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
増原 宏明 広島国際大学, 医療経営学部, 講師 (10419153)
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Keywords | 高齢者 / 受診行動 / 内生性 |
Research Abstract |
研究最終年度は、初年度および2年目に開発した内生変数を含むセミパラメトリックな生存期間分析、およびMasuhara(2008)の開発した2値内生変数を含むセミパラメトリックなカウントデータモデルを用いて、高齢者の退職行動・受診行動に健康水準が及ぼす影響を検証する予定であった。しかしながら、前年度に開発した統計モデルのプログラムを実際のデータで行うと、初期値の設定をうまく行わないと尤度関数の最大化が困難であること、膨大な計算時間を要することが明らかとなり、その改良に研究期間の大半を要することとなった。そこで、前年度より実施していた統計モデルの改良も並行して行った。分析内容は以下のとおりである。2値内生変数を含む生存期間分析において、観測打ち切りのデータがある場合には、線形回帰分析の拡張版を使うことはできずに、累積分布関数の計算に数値積分が必要となる。さらに、セミパラメトリックなケースにおいては、累積分布関数の数値積分が複雑かつ時間を要すものとなる。そこで、数値積分を簡素化かつ精度の高いものとするべく改良を行い、これを論文として投稿した。さらに、医療需要関数の推定でしばしば用いられる有限混合分布モデルにおいて弱点となる、2つの状態「いずれか」より発生したと仮定される点について、これを緩めた代替方法を提案した,具体的には、2つの状態を含むケース、ある状態のみのケース、別の状態のみのケースを仮定し、これらを識別可能な統計モデルを開発し、学会発表を行った。高齢者の受診行動の分析については、現在開発し準モデルを用いて推定作業を行っており、推定結果が出次第、論文としてまとめ、投稿する予定である。
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