2011 Fiscal Year Annual Research Report
牡蠣トレーサビリティ・システムの選定評価基準の構築とその検証に関する研究
Project/Area Number |
21730313
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
益満 環 石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (10347891)
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Keywords | 経営学 / 情報システム / トレーサビリティ / トレーサビリティ・システム / システム選定基準 / 牡蠣 / フードチェーン / システム評価 |
Research Abstract |
世界的に牡蠣養殖で有名な宮城県石巻地域においてすでに「宮城県産生かきトレーサビリティ情報システム(以下、牡蠣トレーサビリティ・システムと記す)」が導入され、稼動している。しかしながら、システムを導入した牡蠣パック加工業者の多くが自社に見合った適切な牡蠣トレーサビリティ・システムを導入できずに、システムを破棄するか他のシステムに変更しているケースが多いことから、本研究では自社に見合った牡蠣トレーサビリティ・システムを選定するための選定評価基準を構築した。平成23年度の具体的な研究実績は以下のとおりである。(1)昨年度に引き続き本調査としてフィールド調査を行い、開発元であるベンダーや導入サポート企業であるパートナーを訪問しヒアリング調査を行った。ユーザー企業である牡蠣パック加工業者についてもすでに牡蠣トレーサビリティ・システムを導入済みの企業に対してヒアリング調査を実施しながら、選定評価基準を最終的に決定した。平成23年3月11日に発生した東日本大震災において牡蠣養殖を取り巻く環境は一変している。産業全体が壊滅的な被害を受けており、特に多くの牡蠣加工業者の工場や社屋が水没または流出しているため、ヒアリング調査は協力できる企業のみを対象とした。(2)東日本大震災により壊滅的な被害を受けた牡蠣加工業者に対する安価で迅速な牡蠣トレーサビリティ・システムの新規導入のための方策を国内外の各種団体やITベンダーに訴え、協力を仰いだ。(3)東日本大震災に伴う福島第一原発の水蒸気爆発による放射性物質による食品汚染の影響により、今後多くの食品についてトレーサビリティ・システムが開発・販売されることが予想される。本研究で構築したシステムの選定評価基準は、牡蠣のみならず他の食品にも適用可能であることから、企業や団体が新規にトレーサビリティ・システムを導入する際の一助となり得る。
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Research Products
(7 results)