2009 Fiscal Year Annual Research Report
末期腎不全患者の治療法選択・開始時の心理学的プロセスと情報提供ツールの開発
Project/Area Number |
21730549
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
中村 菜々子 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育学研究科, 准教授 (80350437)
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Keywords | 人工透析 / 意思決定 / 心理的支援 / 末期腎不全 |
Research Abstract |
本研究では,末期腎不全治療法の選択・開始時のプロセスに着目し,治療継続期の2つの透析療法の患者(腎移植は透析治療を受療しつつ待機するので,透析療法者に含まれる)を対象に,回顧的に,治療の選択・開始時に患者なりの選択理由(各治療法の長所や短所)を見出していく心理的プロセスと,その際の医療者の適切な支援について明らかにする。具体的には,患者自身が認識する3治療法の長所および短所の傾向を明らかにする(研究1),患者が治療法を選択・開始する際に,選択理由を見出すまでの心理プロセスで生じる困難と,困難を乗り越えるために医療者ができる心理的支援方法を検討する(研究2),調査結果を反映した支援ツールを作成し,内容や実用性を評価する(研究3)の3点を目的としている。このうち平成21年度は(1)先行研究の展望,および(2)研究1の実施を行った。(1)国内の腎不全や腎疾患に関する心理的側面を扱った191論文に関する展望を行い,治療法選択・開始時の支援研究は萌芽期にあること,および,意思決定に関わる心理的側面については横断的な検討が中心であり,心理プロセスとして扱った研究が不足している現状が明らかになった。(2)研究1として,3種類の透析療法を継続している患者計41名(CHD17名,PD17名,APD7名)を対象に半構造化面接を行い,透析療法開始時の状況,選択プロセス,および,現在実施している透析療法や他の(実施していない)透析療法に感じる長所と短所を明らかにした。
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Research Products
(4 results)