2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730589
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷内 通 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40324058)
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Keywords | ワーキングメモリ / 短期記憶 / 両生類 / 爬虫類 / 硬骨魚類 |
Research Abstract |
ホルスフィールドリクガメの放射状迷路学習について,2個体のうちの1匹について安定した遂行が確認された。自由選択課題を140日間にわたって訓練したところ,チャンスレベルを有意に超える水準での遂行が確認された。引き続き,実験者が決定したアームへの強制進入後に全8アームから未選択アームを選択させる強制-自由選択課題の訓練を行った。結果として,有意にチャンスレベルを超える水準でこの課題を遂行可能であったことから,リクガメは,固定的な反応パタンの学習によらず,ワーキングメモリ過程に基づく放射状迷路遂行が可能であることが新たに示唆された。 硬骨魚類については,キンギョ用の放射状迷路を作成して遂行可能性を検討した。その結果,嗜好性の高いアームへの再進入が放射状迷路遂行に干渉していることが示された。そこで,各アームにシリコン・シートによるカーテンを設置し,進入に対する反応負荷を高めることで,キンギョのアーム選択の基準の厳格化を促した。これまでに一部の個体で肯定的な結果を得たことから,迷路内手がかりの改良と合せて,引き続き検討を行っている。 アカハライモリについて,報酬訓練のための餌刺激の選定と直線走路を用いた報酬訓練効果の確認を行った。長期間にわたって同一の餌を与えると嗜好性が低下する傾向が認められたため,これを防止するための給餌スケジュールについて検討を行っている。 アカハライモリについては報酬訓練法の確立は途上であるが,リクガメとキンギョのワーキングメモリ過程について放射状迷路を用いて安定的に検討する基礎的条件を整えることができた。
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Research Products
(1 results)