2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730589
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷内 通 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40324058)
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Keywords | ワーキングメモリ / 短期記憶 / リクガメ / アカハライモリ / キンギョ / 放射状迷路 / 指示忘却 |
Research Abstract |
ホルスフィールドリクガメの放射状迷路学習について,昨年度までに自由選択課題と強制-自由選択課題の習得を確認した1個体に加えて,新たな1個体においても同様の遂行が可能であることを確認した。放射状迷路の遂行可能性が2個体で確認されたことから,リクガメは,固定的な反応パタンの学習によらないワーキングメモリ過程に基づく放射状迷路遂行が可能であることが確認された。 硬骨魚類については,キンギョの放射状迷路学習においてwin-shift課題とwin-stay課題の学習可能性を検討した。その結果,win-shift課題においてチャンスレベルを超える遂行を確認した。しかしながら,さらに複雑な記憶機能の検討へと展開するためにはさらに高い水準での遂行が必要である。このため,各アームへの進入に要する反応負荷を高める操作を試みた。シリコン・シートによるカーテン,ボールチェーンのすだれ状の配置,およびアーム進入口の狭化について検討した。特に進入口の狭化について肯定的な結果を得たことから,迷路内手がかりの改良と合せて,引き続き検討を行っている。 アカハライモリについて,報酬訓練のための餌刺激の選定と直線走路を用いた報酬訓練効果の確認を行った。長期間にわたって同一の餌を与えると嗜好性が低下する傾向について,実験餌の工夫により安定した摂食を実現した。この知見に基づき,直線走路における報酬性の道具的条件づけによる走行反応の獲得および反応強度に報酬量が影響することを確認した。 ラットでは,放射状迷路課題を用いた指示忘却実験を行い,F手がかり後には正反応の強制選択を行わせる反応置換型の実験,および2種類の報酬事象のどちらがテストされるかを手がかりにより指示する認知資源再配分型の実験を行った。その結果,反応置換型の実験において指示忘却現象を確認した。認知資源配分型実験については手がかり提示のタイミングに関する改良を検討中である。
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Research Products
(8 results)