2009 Fiscal Year Annual Research Report
EUの地域教育政策の策定に関する研究―英国の地域再生と教育拠点づくりを通して―
Project/Area Number |
21730633
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
吉原 美那子 Takasaki City University of Economics, 地域政策学部, 准教授 (00422147)
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Keywords | グローバル / EU / 地域活性化 / 教育政策 / 社会資本循環 / 資格 / スコットランド / アイルランド |
Research Abstract |
本研究の目的は、「トランス・ナショナル」、「ナショナル」、「ローカル」という三空間が並存しているグローバル時代において、地域教育自治組織の構築やその施策立案能力に、EUや国家の地域政策戦略が及ぼす影響、並びに、地域主導型教育施策がEUや国家の地域政策戦略へもたらすインパクトを、英国を中心にEU各国の事例を通して明らかにすることである。そこで、平成21年度は、EUの地域投資施策に関する資料や「リスボン戦略」の中の2010年に向けた教育戦略目標の分析をもとに、次のような調査を行った。 [スコットランド(英国)] スコットランドにおいて、分権政策以後の教育政策に関する資料、及び、地域再生のための社会資本の循環の仕組みを確立させるための施策に関する資料の収集を行った。また、Scotland Europa(ブリュッセル)を訪問し、EU諸政策に対応するための政策戦略分析の方法、及び、ヨーロッパ内でのネットワークを活用した地域活性化策の中でも特に人材雇用と育成、配置についての情報と資料を得た。 [アイルランド] アイルランドは、現在国家の教育政策立案能力と学力の低下に関する議論が盛んであり、これらの改善と方策を喫緊の課題としている。そこで、アイルランド国家資格当局(National Qualifications Authority of Ireland)を訪問し、EUとアイルランド国内の教育政策の指針の整合性や生涯学習時代における教育資格の枠組み(主に中等教育以後)の策定の改善に関する情報及び情報を得た。 以上のように、平成21年度は、EU、スコットランドとアイルランドのEU諸政策への対応と人材育成のための枠組みの比較分析から、「トランス・ナショナル」、「ナショナル」、「ローカル」、それぞれが施策の整合性を図りつつ、独自の人材資本の循環の仕組みを確立していることを解明した。
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