2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730651
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Research Institution | Chukyo Women's University |
Principal Investigator |
山本 経天 Chukyo Women's University, 人文学部, 助教 (40410641)
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Keywords | 日本語教育史 / 中国 / 日中関係史 / 岡崎兼吉 / お雇い日本人教師 / 北京大学 / 中国人民解放軍外国語学院 / 北京対外外貿学院 |
Research Abstract |
今年度は、主に4つの作業を行った。 1つは、新中国が成立した1949年から中日国交が回復した1972年までの中日国交断絶期、とりわけ建国初期に日本語教育機関を設置した最初の3校、すなわち1949年に再開した北京大学、1950年に開校した東北軍区新聞学校(後、中国人民解放軍外国語学院)、1953年に開校した北京対外貿易専科学校(後、北京対外貿易学院、対外経済貿易大学)における日本語教育の歴史的流れ、教育目的、カリキュラム、教師の氏名や経歴、教材、学生の修学年数、定員、入学経緯、卒業後の進路など全容を解明した。なお、成果は公表した。 2つは、前述した機関の日本語教師、主に1954年から30年間北京大学でお雇い日本人教師として日本語を教えていた岡崎兼吉の遺族を訪問し、残された日記など一次資料を入手し、分析を行った。岡崎兼吉に関する研究論文はほぼ完成しており、2010年度に発表・公開する予定である。 3つは、植民地の台湾で生まれ、旧制第三高等学校や京都帝国大学卒という経歴を持つ北京大学の日本語教師陳信徳に関する資料を収集し、分析している。 4つは、中国国家図書館をはじめ諸機関を調査し、1950-60年代の日本語教材32冊を収集した。北京大学東語系が編集したガリ版の『基礎日本語教科書』(1957-58年第一学期)や『日本語一年教材第一至十五課』(1960年、前書の修訂版)および『日三分析』(1958-59年第一学期)など貴重な教材を含む。現在、構成・内容から見た特徴や改訂の方針などについて分析を行っている。
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Research Products
(2 results)