2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730666
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
望月 由起 お茶の水女子大学, 学生支援センター, 准教授 (50377115)
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Keywords | 小学校受験 / 早期選抜 / 家庭の教育戦略 / 階層間格差 / 国私立小学校 / 学習行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国私立小学校への受験プロセスと進学後の学習行動に関して、教育社会学的な視点から捉え、「受験(準備)の低年齢化」の実態と課題を明らかにしていくことである。第一の分析課題は、国私立小学校進学目的を調査し、小学校受験に潜む現代的な家庭の教育戦略を捉えることである。第二の分析課題は、「小学校受験をする家庭は、どのような意識で、どのような準備をし、どの程度の経済的・心理的負担であるのか」を調査し、小学校受験の実態を明らかにすることである。第三の分析課題は、国私立小学校進学後の子どもたちの学習行動、特に中学受験に対する準備状況を調査し、明らかにすることである。 平成22年度~24年度は、第三の分析課題を明らかにするために、「国私立小学校、主に低学年の生徒の学習行動に関する質問紙およびインタビュー調査」を縦断的に実施することとしている。今年度は、前年度の調査対象者のうち、引き続き研究協力の承諾を得た者およそ100名を対象に、小学校2年生時点の追跡調査を質問紙調査によって、夏・冬の2回にわたって行った。その結果、調査対象者の小学校2年生時点での学習行動等について、それ以前のものと比較しながら深くとらえることができた。 さらに、公立小学校の低学年の子どもをもち、中学受験を検討している家庭を対象に同様のアンケート調査をインターネットを通して行い、両者の学習行動、特に、中学受験に対する準備の相違も比較した。 本年度の研究成果は、学問的には看過されてきた「国私立小学校に通う生徒の学習行動」について目を向けているという点で意義があるとともに、現代的な課題である「家庭の教育戦略にみられる階層間格差」について検討する上でも重要なものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究の目的」を達成すべく作成した研究実施計画に基づき、調査の実施・分析をおおむね順調におこない、その成果の発表(論文、図書、学会発表等)や課題の明確化をすすめることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
中学受験に対する準備が本格的にスタートするといわれる小学校3年生時点での追跡調査を計画通り平成24年度にすすめるために、前年度(平成23年度)の調査対象者(国私立小学校に進学した小学2年生をもつ家庭)の引き続きの調査協力を強く求めていく。
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Research Products
(2 results)