2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代テスト理論を応用した大学生調査の経年比較分析モデルの構築
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21730674
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 拓也 長崎大学, アドミッションセンター, 准教授 (40452304)
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Keywords | 項目反応理論 / 経年変化 / 等価 / コンジョイント分析 / AHP / 高大接続情報 / 大学生調査 / 大学教育の質保証 |
Research Abstract |
研究3年目は、まず、日本版大学生調査プロジェクト(JCIRP)のデータセット(3・4年生用のJCSS2005、JCSS2007、JCSS2009、初年次学生用のJFS2008、JFS2009の五つのデータ)のうち大学満足度項目についてデータを整理し直し、大学満足度項目のDIF (Differential Item Functioning)分析を最終年度に行う準備を行った。また、発行が遅れていた『クオリティ・エデュケーション』4号(2012年3月刊行)に、項目反応理論によって等化を行い、その経年変化及び学年毎の変化する満足度の状況を図示し、大学満足度については、1年次から2年次になる際に満足度が急激に落ち込んでいた大学と統計的に有意な差がなく満足度が落ちなかった大学とで、Interpretive Structural Modeling (ISM)を行った論文が収録された。海外の学会(Association for Institutional Research 11^<th> Annual Forum 2011)では、大学満足度について潜在クラス分析で学生分類をして傾向を見た研究成果をポスター発表した。また、大学満足度の経年変化の要因を探るために必要な高大接続情報の獲得を目的に昨年度より進めている、大学に進学実績の全国の高校3800校の高校進路担当教員に対して、進路指導方針を尋ねるアンケート調査に関して、AHPとコンジョイント分析によって分析を行い教育社会学会で発表を行った。その結果、進路指導の理念が上位校と下位校で学力重視と意欲重視で分断している、所謂、ガイダンス・トラッキングが形成されている実態を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。既に、本科研の柱となる項目反応理論によって等化やInterpretive Structural Modehng (ISM)を行う研究は査読雑誌に採択されており、最後の大学満足度項目のDIF分析に取りかかるのみである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究課題については、最終年度にDIF分析を行うことである。そのためのソフトの整備等も滞りなく行い、データの整理もアルバイトの雇用により終了している。理論的検討を年度の前半部分で進め、年度の後半部分でデータ分析を行うことを予定している。
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Research Products
(4 results)