2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740033
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 正明 Akita University, 教育文化学部, 准教授 (70431616)
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Keywords | 写像類群 / 線型表現 |
Research Abstract |
Torelli群のマグナス表現の核の性質を研究した。その核の元で森田準同型の核に入らないものを探すために森田準同型を計算する方法を考察する必要がある。一般的な状況を考えると自由群の自己同型群の元がその自由群への作用で与えられるとき、その森田準同型の像を計算したい。その元がJohnson kernelに入るかどうかを調べることは計算機を使えばたやすい。ただ、分離的単純閉曲線のDehn twistの積で表わす表し方は知られていないので、その方法が分かればよいことになる。この問題の手始めとして、二つの単純閉曲線が分離的になる組でのDehn twistsの組の交換子が分離的単純閉曲線のDehn twistの積で表わす方法を考察した。この問題の特殊な場合についてはlantern relationと呼ばれる写像類群の特徴的な関係子を用いて解くことができた。たださらに一般的な状況については分かっていない。この場合については計算した例については全て森田準同型の値はゼロになってしまうことを確かめた。また、同様な元に対してTorelli群のマグナス表現によって得られる行列の特性多項式を求めた。これらは計算した例において全て自明になった。すなわち単位行列の特性多項式と同じになった。これも一般的に計算した以外の例でもそのようになるのかは不明である。これらの計算結果は森田準同型とTorelli群のマグナス表現の関連を調べる上で基礎的なデータとなるため、今後の研究に大いに役立つことが期待される。
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