2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740033
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 正明 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (70431616)
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Keywords | 写像類群 / 線型表現 |
Research Abstract |
写像類群の高次マグナス表現の計算を行い、その性質を研究した。特に2次のマグナス表現と3次のマグナス表現についての計算例を多く調べた。2次のマグナス表現はトレリ群のマグナス表現であり、既に忠実性については解決しているが、森田準同型との関係など多くの問題が残っている。森田準同型は、定義は非常に簡単なものであるが、性質がよく知られていない上に、ジョンソンカーネルと呼ばれる近年多くの研究者が研究している対象との関連から、特に重要性が高いと思われる。森田準同型とトレリ群のマグナス表現の関係を調べるために、計算機により多くの計算を行った。知られている結果として、2つの分離的単純閉曲線でのデーンツイストの交換子では森田準同型の値がゼロになることが知られている。よって、この形をしていないトレリ群のマグナス表現の核の元を見つけることは大きな問題である。また、3次のマグナス表現として、ジョンソンカーネルの元からのマグナス表現の計算も多く行った。これは計算機上のプログラムを構築し、それによる計算を行った。この計算により、トレリ群のマグナス表現の核の2つの元を考え、それらの交換子で3次マグナス表現の核に入るかを計算したが、計算した例では核に入る元は見つからなかった。これにより、トレリ群のマグナス表現の核の交換子が3次マグナス表現の核には入らないことが分かった。これらの計算も森田準同型とマグナス表現との関係を調べる上での基礎的なデータとなり、今後の研究に大いに役立つことが期待される。
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