2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740041
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
KALMAN Tamas 東京工業大学, グローバル・エッジ研究院, テニュア・トラック助教 (00534041)
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Keywords | ホモロジー / 結び目 / ハイパーグラフ / 接触構造 |
Research Abstract |
今年度は、ハイパーグラフのpolymatroidsとTutte多項式について集中的に研究を行い、数学の分野にしてはかなりの長文の論文をまとめた。 ハイパーグラフの不変性は二つのホモロジーを統合するための基礎になると考えられるが、実はその鍵となる考え方についていまだに完全な証明がない状態である。これは辺と頂点を入れ替えた場合についての相対原理に関するもので、この証明を見出すことはホモロジーの理解や当該分野の発展にとっては極めて重要である。22年度の研究では、証明を見出すべくさまざまな試行錯誤を重ねた。そして、ついにMITのAlex Postnikov教授との共同研究を通じて、この証明にたどりつくための重要なステップを踏み、かなりの発展を遂げていると思われる。具体的には、交替結び目のHomfly多項式と結び目のSeifertグラフのTutte多項式とが対応するだろうということである。この点については、既に証明にかなり近づいているので今後論文としてまとめていく予定である。 Alex Beneと共同で別の種類のTutte多項式についての研究も進めた。この研究で我々が考えたのは、抽象的なハイパーグラフではなく、種数の大きい面で実現されるハイパーグラフである。この多項式には、種数を表す余分な変数を導入することが必要である。一つ目の研究の場合と同じように、似た性質を示すことができると考えるにいたった。本研究の成果は、交代しない結び目の場合にも拡張することができるであろうことから、その意義は大きいのと思われる。
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