2011 Fiscal Year Annual Research Report
ワイエルストラス型表現公式をもつ曲面とその特異点の研究
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21740052
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤森 祥一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (00452706)
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Keywords | 極小曲面 / 極大曲面 / 平均曲率一定曲面 / 特異点 / ワイエルストラス型表現公式 / 周期問題 |
Research Abstract |
1.川上裕、國分雅敏、Wayne Rdssman、梅原雅顕、山田光太郎各氏との共同研究で、Riemann面上に特異点付きの双曲型計量の概念を導入し、その基本性質を明らかにした。また、3次元de Sitter空間内のde Sitter catenoidと呼ばれる(特異点を持つ)空間的平均曲率1曲面と双曲型計量との関係を明らかにし、de Sitter catenoidの分類を行った。 2.Wayne Rossman、梅原雅顕、山田光太郎、Seong-Deog Yang各氏との共同研究で、3次元Lorentz-Minkowsiki空間内の空間的極大曲面と時間的極小曲面に関する研究を行った。特にfold singularityと呼ばれる特異点を通して両者が解析的に繋がる状況について解析し、いくつかの重要な例を発見した。 本研究は現在も継続中である。 3.庄田敏宏氏との共同研究で、3次元Euclid空間内の極小曲面で2つのエンドをもつものの研究を行った。以前庄田氏との共同研究で得られた例の一意性を示すことができた。 本研究は現在も継続中である。 4.Matthias Weber氏との共同研究で3次元Euclid空間内の3重周期的極小曲面に関する研究を行った。以前Weber氏との共同研究で面対称をもつ3重周期的極小曲面の新しい構成法を発見したが、線対称をもつ極小曲面にこの方法を拡張した。 本研究は現在も継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元Euchd空間内の極小曲面や3次元Lorentz-Minkowski空間内の空間的極大曲面に関する研究は、当初予想していなかった興味深い結果が得られ、また新しい例も多く構成できたので、当初の計画以上に進展している。しかし、3次元光錐空間内の空間的曲面については、まだ決定的な結果は得られておらず研究は当初の計画より遅れている。以上から総合的に判断すると、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元de Sitter空間内の空間的平均曲率1曲面の研究については、今年度の研究で得られた双曲型計量の概念を用いることで、3つのエンドをもつ曲面の分類を行う。3次元Lorentz-Minkowski空間内の空間的極大曲面と時間的極小曲面に着いては、Weierstrassa表現公式よりも偏微分方程式の理論を用いて研究を進める。3次元Euclid空間内の3重周期的極小曲面については、まだいくつか周期問題が数値計算でのみ解けているので、数学的な証明を完成させる。3次元Euclid空間内の2つのエンドをもつ極小曲面については、一意性の証明ができたが、証明が大変長いので論理のチェックを入念に行い、論文にまとめて投稿する。
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Research Products
(3 results)