2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 賢次 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40322200)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非線形波動 / 波の分散性 / 非線形共鳴 / 解の大域挙動 / 解の爆発 / ソリトン / 中心安定多様体 |
Research Abstract |
前年度に続き、非線形波動を記述する様々な方程式について、時空およびエネルギー空間で大域的に解の様相を解析し、初期状態からの解の挙動分類と、解集合同士の位相的関係を得た。今年度の特筆すべき実績は以下の2つ。 ①大域挙動の境界超曲面の構成: 本研究成果の基本的描像では、大域的分散性を示す解の集合と、有限時間爆発の解集合の境界が、基底状態ソリトンの中心安定多様体になる。この超曲面は、ソリトン周りの線形化発展方程式の分散性を用いて構成できるが、それには中心安定スペクトルも詳しい評価が必要で、応用上の制約が著しい。またこの方法で超曲面上に得られた解はソリトンへ散乱するが、エネルギー臨界の非線形項では、基底状態近傍に留まりつつエネルギー集約で爆発する解も知られている。本年度は、多様体上の解の挙動を調べずに、2つの解挙動の境界を直接求める手法を開発した。この方法では中心安定スペクトルの情報が殆ど無くても境界面を構成でき、臨界型のエネルギー集約爆発もその中に含まれる。これで臨界型方程式の大域ダイナミクスを劣臨界と同じ描像に嵌め込み、その完全な分類も視野に入れる事ができた。 ②Zakharov型方程式への応用: 本研究成果ではエネルギーの解析を基本としているため、解の関数空間を勝手に選べない。そのため非線形項が分散性に比べて強い場合、特に低次元低次項は難しくなる。そのモデルケースとして、2次非線形項を持つ Zakharov 方程式および、 Klein-Gordon-Zakharov 方程式の解挙動を調べた。これらの方程式では非線形共鳴が周波数上で局在化する。この特徴を利用するため、normal form の手法で非共鳴相互作用を3次に書き換え、共鳴部分は解に球対称性を仮定して評価し、更に分散性と爆発性への解分類を実行した。球対称は制約として強いが、方程式の適用範囲を広げる意味では重要な一歩と言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)