2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740106
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 友之 神奈川大学, 工学部, 助手 (80452423)
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Keywords | 関数方程式論 |
Research Abstract |
ナヴィエ・ストークス方程式の弱解の正則性を、圧力に対する仮定の下で定式化を行った。それはスケール不変な関数空間において圧力が十分小さければ、速度場も自己相似的な爆発を起こさないことを証明した。対応する結果として速度場に対する仮定の下では既に知られていたが、観測論的立場からも圧力のほうが扱い易いことを鑑みると我々の結果は意義があるのである。 またこの結果を磁気流体(MHD)方程式へ応用した。MHD方程式はナヴィエ・ストークス方程式と磁場の方程式の連立であるが、圧力と磁場がスケール不変な空間で十分小さければ弱解が正則であることを示した。 確率項付きのナヴィエ・ストークス方程式およびオイラー方程式に対する、力学系の存在・収束・可測性などの研究をドイツ・パダーボルン大学のビョルン・シュマルフス教授を招聘することによりおこなった。確率項の無い決定論的な方程式に対する研究や、確率項付きの熱方程式に対する研究はよく知られているが、それらを合わせた場合にはほぼ結果が得られていない。 前者の場合には一般的な手法が広く援用できるがアトラクタを考えるための軌道空間が可分でないために、確率微分方程式に対するランダム・アトラクタの可測性を示すことが困難なためである。 この研究は一意性の不明な方程式への応用など意義のあることと考えている。
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