2010 Fiscal Year Annual Research Report
パンルヴェ系の特殊解の構成と無限次元可積分系の探索
Project/Area Number |
21740126
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
増田 哲 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00335457)
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Keywords | 数理物理 / 可積分系 / タウ函数 / 離散羃函数 / 第6パンルヴェ方程式 / 笹野系 |
Research Abstract |
本研究の目的は,パンルヴェ方程式や離散パンルヴェ方程式およびそれらの種々の一般化(高階化,多変数化など)に対して,特殊解や対称性についての具体的な知見を積み上げつつ,それらの背後にある(あるいはあるべき)無限次元可積分系を探索し,さらにはその解空間の構造や対称性を明らかにすることである.近年,藤-鈴木系や笹野系といった高階パンルヴェ型微分方程式が提出され,アフィンワイル群対称性やモノドロミー保存変形,無限次元可積分系との関係など様々な観点から研究が進められている. 今年度は,こうした高階パンルヴェ型微分方程式についての最近の研究の進展状況を踏まえ,それらの典型的な特殊解の構成に着手した.結果の概要は以下の通りである. ・BobenkoおよびPinkallにより提出された離散羃函数の明示公式を与えた.具体的には,第6パンルヴェ方程式(P_<VI>)の超幾何型特殊解のタウ函数を用いて表される.また,副産物として,P_<VI>のタウ函数を用いた離散Schwarzian KdV方程式の特殊解を構成した.後者の結果は,離散Schwarzian KdV方程式の種々の特殊解についての結果と併せ学術論文として4月に公刊される予定であり,前者については論文にまとめる作業を現在進めている. ・D_5(1)型笹野系と呼ばれる4階パンルヴェ型常微分方程式系のある種の有理解の構成に取り組んだ.現時点で,論文発表には至っていないものの,興味深い結果を得つつある.
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Research Products
(3 results)