2012 Fiscal Year Annual Research Report
熱水力学に現れる自由境界問題に対する解の制約条件を含む非線形発展方程式の可解性
Project/Area Number |
21740130
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
深尾 武史 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00390469)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 発展方程式 / 制約問題 / Lagrange乗数 / 時間依存制約 |
Research Abstract |
熱水力学に現れる自由境界問題に対する適切性の研究に向けた、時間依存制約条件付きの抽象発展方程式に対する解の表現定理の研究、ならびにある非ニュートン流体の運動方程式に対する可解性の研究を行った。 熱方程式に対する各点の値への両側制約条件を付加した障害物問題では拡散項と制約のための指示関数の劣微分の項との間に角度条件と呼ばれる不等式が重要な役割を果たしている。この条件はスカラー方程式特有の性質を利用して証明できることが知られており、一般の流体の方程式のようにベクトル方程式に対しては成立が望めない。この問題を回避するため、弱変分不等式による弱い意味の解を導入することが可解性の議論を進める1つの手立てとなることがこれまでの研究で明らかになってきた。これまでの研究で3次元Navier-Stokes方程式に向けて流速の大きさに時間依存制約条件を課した場合を考察した。流体の方程式では発散0の条件から一般に時間依存性を取り扱う不等式を得ることが困難であったがこの種の制約条件に対しては比較的簡単に不等式が得られることが明らかになった。この問題は変分不等式であり、制約問題の先行研究から制約条件を満たしている領域では真にNavier-Stokes方程式を意味していると期待されるが自明ではない。 当該年度の研究では不等式と等式の関係性を明確にするために、時間依存制約集合上の劣微分を含む抽象発展方程式の解の表現定理について、例えば体積保存条件など制約条件が非局所的な制約の場合にLagrange乗数による抽象的な表現定理を得た。また、熱水力学に現れる自由境界問題に対する適切性の研究に向け、閾値が関数である場合のBingham流体の運動方程式を仮似変分不等式の枠組みで捉え、可解性の証明を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)