2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740204
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宇都野 穣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (10343930)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 原子核構造 / 不安定核 / 殻模型 / 魔法数 / 有効相互作用 |
Research Abstract |
前年度カルシウム領域の1粒子1空孔励起を記述するための有効相互作用を提案し、中性子過剰カルシウム同位体では偶偶核の3-状態が中性子のsdg殻への励起を多く伴うことを発見した。この有効相互作用で記述される殻構造はかなり正確であると考えられるため、一粒子エネルギーが重要な役割を担うと考えられている中性子過剰核のピグミーE1共鳴に対する予言力があると見られる。そこで今年度は、前年度得た有効相互作用を用いて、中性子過剰カルシウム同位体のE1励起の系統的研究を行った。殻模型によって巨大共鳴を含むE1励起の分布を直接的に得るには、下から1万本以上もの固有状態が要り計算が困難なため、ここでは分布関数を良い精度で得ることのできるLanczos強度関数法を用いて計算した。まず1-状態を得るのに、主殻をまたいだ励起として1粒子1空孔励起のみを取り入れた殻模型計算を行い、48Caなどで実験データと比較したところ、巨大共鳴のピークエネルギーは実験と非常に良い一致を見たものの、ピークの高さがやや大きくなりすぎることがわかった。そこで東大グループと協力して、3粒子3空孔励起まで取り入れた非常に大規模殻模型計算を行ったところ、ピークの高さが下がり実験値との一致がかなり改善された。従来の乱雑位相近似計算と比べ、巨大共鳴のピークの全体的構造などに著しい改善が得られた。これは、巨大共鳴のピークを記述するのに殻模型計算で可能である主殻内の配位混合を正確に取り入れる必要性があることを定量的に示した結果となっている。また、48Caを超えると、励起エネルギー約7 MeVにピグミー共鳴と見られる小さなピークが得られた。巨大共鳴の正確な記述に基づく殻模型計算の信頼性から、今後の実験に対する有益な情報を与えるものとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)