2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740298
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 俊輔 The University of Tokyo, 物性研究所, 助教 (90431874)
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Keywords | 高性能レーザー / アト秒 / 高次高調波 / 軟X線 / 水の窓 |
Research Abstract |
光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)システム(搬送波位相(CEP)安定化、1kHz、2.7mJ、5.5fs、770nm)を用いて、水の窓領域(2.3-4.4nm)の高次高調波発生の実験ならびに、世界最短波長での高調波のCEP依存性の観測を行った。X線分光器並びに各種フィルターにより、水の窓の入り口である280eVにおいて高調波が発生していることを確認した。高調波は少なくとも300eV程度までスペクトル成分が存在することが分かった。ただしCEPの効果はこのスペクトル領域では観測することは難しく、高調波強度の強い軟X線領域(180eV,7nm近傍)でのCEP観測を行った。この領域であっても、現在CEP依存性が検証されている極端紫外域(13nm近傍)よりはるかに高エネルギー側であり、高調波のCEP依存性を確認することが出来る世界最短波長となる。 上記と並行して、OPCPAの共振器部の改良によりCEPの安定性の追求を行った。即ち、OPCPAのパラメトリック増幅段及び伸長・圧縮過程により残っていた1Hz程度のCEP揺らぎを、同軸型f-to-2f干渉計により評価し、共振器のCEP制御信号に加算することによって、OPCPAシステム全体のCEP安定化を行った。更に、フィードバックループの外に配置したウェッジガラス対により、CEPの任意値への制御を実現した。また、CEP安定化フィードバック用の音響光学素子(AOM、応答周波数:数kHz)を、より高速な電気光学素子(EOM, 100kHz程度)と交換することで、共振器のCEPを更に安定化した。
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