2011 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル受信機を用いたパッシブレーダーによるプラズマバブル広域監視法の研究開発
Project/Area Number |
21740357
|
Research Institution | Electronic Navigation Research Institute |
Principal Investigator |
齋藤 享 独立行政法人電子航法研究所, 航法システム領域, 主任研究員 (40392716)
|
Keywords | 地球惑星電離圏 / プラズマバブル監視 / 衛星航法 / パッシブレーダー / ディジタル受信機 |
Research Abstract |
平成22年度に行った第1回のRadio Australia放送波を用いた短波赤道横断伝播観測実験における不具合を解消するための改良を施した観測システムを用い、プラズマバブル発生季にあたる平成23年4月14~17日と平成23年10月20~23日に第2、3回の短波赤道横断伝播観測実験を行った。第1回実験と同様に、伝播距離を測定するために、受信システムの一方をRadio Australia送信所が設置されている豪州・ビクトリア州Sheppartonに設置し、基準となるRadio Australia放送波信号を取得するとともに、他方の受信システムを情報通信研究機構・大洗方向探査施設に設置し磁気赤道を越えて伝播するRadio Australia放送波を同時受信した。さらに大洗方向探査施設でRadio Australia放送波の到来方向測定を同時実験として行った。プラズマバブルの発生により大洗におけるRadio Australia電波の到来方向が大きく西へ変化するのに伴って伝播距離が大きく増大し、その後プラズマバブルの東進に伴い大洗で観測されたRadio Australia電波の到来方向が南西から南へ変化するに従い伝播距離が徐々に減少するという様子が捉えられた。これらの結果から、短波赤道横断伝播の到来方向測定に伝播距離測定を加えることにより、プラズマバブルの位置推定精度向上の可能性を示唆する結果が得られたと言える。 第2回短波赤道横断伝播観測実験まで結果をまとめ、平成23年8月に国際学会(国際電波科学連合(URSI)2011年総会・科学シンポジウム)において学会発表を行った。発表では、内容について好評を得るととともに、観測精度向上のための将来的なシステムの改良に関する示唆を得ることができた。これまでの結果をまとめた論文を国際論文誌に投稿する準備を進めている。
|