2010 Fiscal Year Annual Research Report
高密度にホウ素原子を集積した電子受容性共役分子群の創製
Project/Area Number |
21750037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吾郷 友宏 京都大学, 次世代開拓研究ユニット, 助教 (90466798)
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Keywords | 有機ホウ素化合物 / ポリボラアセン / 電子受容体 / 反芳香族分子 / ディスク状共役系 |
Research Abstract |
本研究計画では、ホウ素原子の特徴である電子受容性やルイス酸性を活用した機能性分子の開発を行う。今年度は(1)含ホウ素アセンの合成と性質解明、(2)ホウ素とドナー性元素を組み合わせたπ共役化合物の合成と物牲、の二点について検討を行った。(1)前年度の検討で、ジボラアントラセンの新規合成反応の開発を行った。今年度は、合成したジボラアントラセンの光・電子的特性について調査した。ジボラアントラセンは近紫外領域に強い吸収帯を有するとともに、青色の蛍光を発した。この発光は溶媒に依存して変化したため、発光状態は分子内電荷移動状態であると考えられる。電気化学測定から、ジボラアントラセンは安定なラジカルアニオンおよびジアニオンを形成可能であることが示された。また、ジボラアントラセンの高いルイス酸性と蛍光発光性を利用して、アニオンの蛍光センシングに展開することができた。次に共役系のさらなる拡張を目指し、ペンタセン骨格への複数のホウ素原子導入を検討した。オリゴ(パラフェニレン-ボリレン)構造の前駆体分子を合成し、目的のテトラボラペンタセンへの誘導を検討した。生成物の質量分析から目的物の存在が示唆されたが、生成物が大気に不安定であり単離に至らなかった。今後は、グローブボックスなどの設備を利用することで、テトラボラペンタセンの単離を目指す。(2)前年度までの検討で、ホウ素原子とドナー性原子である窒素や硫黄を組み合わせたヘテラボリンが優れた光機能性を有することを見出している。本年度は、様々なドナー性原子を組み合わせた混合ドナー型のヘテラボリンの合成を目指し検討を行った。窒素-硫黄-ホウ素混合型分子の合成を試みたところ、予期しなかった炭素-炭素結合形成がおこり、カルバゾールとベンゾチアボリンが縮環した新規なラダー型分子が生成することを見出した。この分子はラダー型ヘテラボリンと同様に、優れた蛍光発光性を示した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Assembling N, P, N Pincers for Coordination-Driven Synthesis of Supramolecular [2,2]Paracyclophane2011
Author(s)
Ana Isabel Aranda Perez, Thomas Biet, Sebastien Graule, Tomehiro Agou, Christophe Lescop, Neil R.Branda, Jeanne Crassous, Regis Beau
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Journal Title
Chemistry A European Journal
Volume: 17
Pages: 1337-1351
Peer Reviewed
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