2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21750061
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 慎一郎 Nagoya University, 名古屋大学・大学院・理学研究科, 助教 (10508584)
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Keywords | 超分子錯体 / 液晶 |
Research Abstract |
本研究は、動的かつ柔軟なナノ化学空間の構築を目指すナノポーラス液晶の創製と、それを利用する機能性分子の精密組織化を目的とする。配位化学の知見を活用することで、金属錯体を用いる自己組織化によりディスクリートな環状構造を形成し、その環状構造のポリメリックな分子集積体によって構築される、一義的な内部空間を持つナノポーラスな液晶の開発を行う。 これまでの研究で、ディスクリートな環状構造の効率的な構築法を確立しつつある。今後、液晶中のナノサイズの空孔を用いた、分子集積・分子認識・化学反応場としての利用を検討する。また、ナノポーラス液晶としての多孔性や基礎物性を理解した上で、C_<60>やカーボンナノチューブなどの通常では自在な配列化が困難な機能性分子の液晶内での配列化および配向化について検討する。 実験計画として、C_<60>共存下のナノポーラス液晶を調整し、複合後もカラムナー構造を維持しているかについてX線回折、DSCを組み合わせて検討する。本研究では、ディスコチック型液晶を用いるため、将来的に電極となりうる基板上で、液晶が垂直配向か水平配向するかが重要なポイントとなる。これらの配向は、環状構造のサイズや液晶部位のアルキル鎖の性質、基板上のラビング膜に大きく反映するため、この点に留意しながら検討を行う。現在そのアルキル鎖の影響について詳細に検討中である。将来的には、垂直配向の場合は有機太陽電池として、水平配向の場合は有機FETとしての材料評価を検討する。
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