2010 Fiscal Year Annual Research Report
触媒担持型マイクロリアクターの創製及びコンビナトリアル連続多段反応システムの開発
Project/Area Number |
21750091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 雅晴 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80361509)
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Keywords | 合成化学 / 触媒・化学プロセス / マイクロ・ナノデバイス / 連続プロセス / 酸素酸化反応 |
Research Abstract |
マイクロリアクターの特徴とフローシステムの特徴を活かした、「マイクロフローリアクター」を用いれば、高い反応性や選択性を維持しつつ、厳密な条件下連続的に目的物を得ることが可能である。本課題は液体(反応基質)・液体(溶媒)・固体(触媒)の三相間での炭素-炭素結合生成反応を実現する触媒をマイクロチャネル壁面に固定化する手法の開発、およびそれらマイクロフローリアクターを用いた酸素酸化反応及び炭素-炭素結合生成反応の開発を目的とする。本年度は炭素-炭素結合生成反応を実現する有機触媒を固定化する検討、及びマイクロ空間で反応速度が顕著に加速されることが期待される水を溶媒とする有機合成反応の検討を行った。 当研究室で開発された光学活性なスルホキシドを、高分子に固定化する技術を開発し、アルデヒドに対するアリル化反応に適用したところ、高収率かつ高いエナンチオ選択性をもって対応するホモアリルアルコールを合成することができた。 一方、社会的に要請される地球環境保全の観点から、有機合成化学において汎用的に用いられている有機溶媒に替わる反応媒体の探索が活発に研究されており、中でも水を反応溶媒とする反応に注目が集まっている。有機化合物と混じらない水中において、触媒と基質が効率良く接触できる環境が重要であり、マイクロフローリアクターを用いることで効果的な反応加速が起きることを、我々は既に見いだしている。そこで、マイクロフローリアクターに適用可能な、水中での有機合成反応を探索した結果、ヒドラゾノエステルに対するアレニル化反応、並びにプロパルギル化反応、α,β-不飽和ケトンに対するチオールの不斉付加反応を新たに見いだした。
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Research Products
(9 results)