2009 Fiscal Year Annual Research Report
ボーダーライン金属錯体の触媒機能の開拓と精密有機合成への応用
Project/Area Number |
21750104
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
米山 公啓 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (80432681)
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Keywords | ボーダーライン金属 / ヒドロアミノ化反応 / ヒドロアリール化反応 / 鉄 / ビスマス |
Research Abstract |
申請者はHSAB則で定義されるボーダーライン金属錯体の興味深い触媒性能を発見し、アルケンやアルキン類の分子内ヒドロヘテロ原子化反応において、他の金属触媒の反応活性を凌駕する金属種であること見出した。しかし、ボーダーライン金属の触媒性能はまだ未知な部分が多く、更なる反応活性の調査が必要である。そこで、本研究では、(1)分子内ヒドロアリール化反応と(2)タンデム型エン/ヒドロアミノ化反応の探索を行い、ボーダーライン触媒のさらなる性能開拓を目指した。 (1) 分子内ヒドロアリール化反応の探索:ボーダーライン金属触媒(鉄、ビスマス)を用い、アルキニルアレーンの分子内ヒドロアリール化反応における最適反応条件(溶媒、温度、添加物等)を探索し、ジクロロメタン溶媒が最適であり、反応温度は80度が最も効果的であることが判った。また、同環化反応を様々な金属触媒で検討し、ボーダーライン金属触媒が他の金属触媒と比較して、最も高い触媒活性を示すことが判った。さらに、本触媒反応は特質すべき基質適応性を有している事が明らかになった。つまり、既存のヒドロアリール化反応では適応出来ない電子不足芳香族求核剤が反応基質に利用できる極めて希な反応性を有していることが判った。 (2) タンデム型エン/ヒドロアミノ化反応の探索:これまでの研究成果より、ボーダーライン金属触媒はアミノオレフィン類の分子内ヒドロアミノ化反応において極めて高い触媒活性を発現することが判っている。本研究では、上記ヒドロアミノ化反応を、適当な親エン体の存在下で行った際、エン反応とそれに次ぐヒドロアミノ化反応が連続的に進行し置換ピロリジン体が高選択的に生成することを見出した。反応条件の探索により、本反応が効率的に進行するためには、ビスマストリフラート触媒を使用すること、ニトロメタン溶媒を用いることが極めて重要であることが判った。現在は、このタンデム反応における基質適応性を調査している。
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Research Products
(8 results)