2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工スパイダーシルクを目指した新規ペプチドーポリマー・ハイブリッドの開発
Project/Area Number |
21750130
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
古賀 智之 同志社大学, 理工学部, 准教授 (10388043)
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Keywords | ペプチド / 自己組織化 / スパイダーシルク / ブロックポリマー / 合成高分子 / 高次構造 / β-シート / グラフトポリマー |
Research Abstract |
本研究では、スパイダーシルクの有する優れた力学特性に着目し、人工ペプチドの自己組織化概念を合成高分子システムとハイブリッド化させるという新しい発想のもと、人工スパイダーシルクの開発を行うことを目指している。本年度得られた主たる成果を以下にまとめる。 1、結晶性β-シートドメインの両端に、非晶性かつ親水性のポリアクリル酸(PAA)とポリエチレングリコール(PEG)をそれぞれ導入したトリブロック型ペプチド-ポリマー・ハイブリッドに関して、ペプチドドメインのアミノ酸配列を様々に変化させた((Ala)_6,(Ala)_8,(Ala)_<12>,(GA)_4)各種ポリマーの合成に成功した。 2、各種トリブロック型ペプチド-ポリマー・ハイブリッド(1)の水溶液中ならびにキャストフィルム状態での二次構造特性および自己集合特性を明らかにした。その結果、β-シート結晶を含むパイダーシルク様構造の形成にペプチド配列が強く依存することを見いだした。 3、オリゴペプチド((Ala)_8)-PEGジブロックポリマーをグラフト鎖に有する新規PAA-g-((Ala)_8-b-PEG)の合成に成功した。得られたグラフト型のペプチド-ポリマー・ハイブリッドの水溶液中での二次構造特性および自己組織化特性を、CDおよびFTIRスペクトル、SEM測定等を用いて明らかにした。その結果、グラフト率依存性が存在するものの、ペプチドセグメントはある特定のpH領域においてβ-シートネットワークを形成し、ハイドロゲルを形成することを見いだした。このハイドロゲル形成は主としてペプチド間相互作用に起因することも明らかにした。
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Research Products
(26 results)