2010 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解円二色性によるDNA―色素間相互作用の動的挙動解析
Project/Area Number |
21750164
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒木 保幸 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80361179)
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Keywords | 円二色性 / DNA / 色素 |
Research Abstract |
DNA塩基配列の違いによるDNA-色素間の結合速度の比較検討 DNAは野生型では主にB型構造をとるが、C-Gペアの増大によりA型構造へと変化する事が知られている。またA-Tペアを多数含むDNAは、構造多様性が高く、塩濃度やリガンドがA-Tペアを多く含むDNAに配位することにより、高次構造の変化が誘起されることがある。このDNAの構造の違いはDNA螺旋のピッチを変えるために、特に色素がメジャーまたはマイナーグルーブへ結合する過程が変調を受けると考えられる。従って、H2TMPyPと特定の塩基配列のオリゴDNAとの結合過程を測定することで、塩基配列の違いによるDNA-色素間の結合の違いが観測できると期待される。本年度は、A-Tペアのみで構成されたオリゴDNAとH2TMPyPの相互作用を考察したところ、初期的には、H2TMPyPがA-Tペアで構成されるオリゴDNAの2重螺旋のマイナーグルーブへと結合することが正のコットン効果を示すCDスペクトルから推察されたが、H2TMPyPの濃度増加に伴い著しいCDスペクトルの変化、具体的には、H2TMPyP間の相互作用に伴う正負のCDパターンへと変化していくという興味深い結果を得た。速度論的考察を行い、この正負のCDパターンへの変化は比較的遅く、このことからオリゴDNAの構造変化をも伴うような大規模な構造変化がH2TMPyPによって誘起された可能性が高いことが判明した。 一方、G-Cペアを多数含む配列のオリゴDNAを用い、塩濃度変化にともなう、B-Z転移速度の直接観測を試みたところ、B-Z変化は非常に遅く、本研究のターゲットとして適切ではないことが判明した。
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[Journal Article] Multiple photosynthetic reaction centres composed of supramolecular assemblies of zinc porphyrin dendrimers with a fullerene acceptor2011
Author(s)
Fukuzumi, S.; Saito, K.; Ohkubo, K.; Khoury, T.; Kashiwagi, Y.; Absalom, M.A.; Gadde, S.; D'Souza, F.; Araki, Y.; Ito, O.; Crossley, M.J.
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Journal Title
Chem.Commun.
Volume: 47
Pages: 7980-7982
Peer Reviewed
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