2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリカナノ構造体をテンプレートとする導電性ダイヤモンド多孔質体の作製
Project/Area Number |
21750209
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
近藤 剛史 Tokyo University of Science, 理工学部・工業化学科, 助教 (00385535)
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Keywords | ダイヤモンド / 多孔質体 / 電気化学 / 電気二重層キャパシタ |
Research Abstract |
1. 導電性ダイヤモンド中空ファイバー膜(BDD-HFM)の作製 石英濾紙を基材として、マイクロ波プラズマCVD法によりボロンドープダイヤモンド(BDD)を成長させ、その後、HF/HNO_3水溶液に浸漬して基材を除去することで、BDD-HFMが得られることがわかった。しかしながら、基材として石英濾紙を用いた場合、BDDは基材最表面部分にしか成長せず、その結果、BDD-HFMは20μm程度以上の膜厚には成長しないことがわかった。BDD-HFMの表面から深い位置になるほど中空ファイバーの管厚が小さくなることから、CVD法によるBDD成長時において、原料となる炭素原子のフラックスが基材内部に向かって著しく減衰していることが推測される。したがって、3次元形状のBDD中空ファイバー構造体を効率的に得るには、より空隙の大きい基材が必要であることが示唆された。 2. 導電性ダイヤモンド中空ファイバーウール(BDD-HFW)の作製 石英濾紙よりも繊維間の空隙の大きい石英ウールを基材として用い、BDD-HFMと同様にBDD中空ファイバー構造体の作製を行った。その結果、石英濾紙の場合とは異なり、基材全体の繊維表面にBDDの成長が見られた。硫酸中でのサイクリックボルタモグラムから24時間成長させたBDD-HFMとBDD-HFWの電子二重層容量を評価した結果、BDD-HFMでは3.0Fg^<-1>であったのに対し、BDD-HFWでは12.7Fg^<-1>であった。これは、BDD-HFMは2次元膜が形成しているのに対し、BDD-HFWでは3次元形状を維持しているため、比表面積がより大きかったからだと考えられる。以上より、適切な形状の石英繊維材料を基材とすることで、中空ファイバー構造からなるBDD多孔質体を得られることがわかった。
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Research Products
(8 results)